ドローン飛行隊とは

北沢てつや(長野市議)

2018年07月05日 06:30

愛知県豊橋市へ視察に行きました時の報告書です。
豊橋市は愛知県の東南部に位置し、面積約261㎢、人口約37万6千人。
面積は長野市の3分の1だが、人口は同規模の中核市です。

ドローン導入のきっかけとなったのが、平成27年9月に発生した常総市の鬼怒川氾濫災害に、豊橋市の防災危機管理課職員がボランティア活動として参加しており、広域的な災害状況の把握は上空からの確認作業が有効と認識した職員からの提案である。
 平成29年7月に隊長以下17名の隊員によって構成された豊橋市ドローン飛行隊(RED GOBLINS)として発足した。
 隊長、副隊長は防災危機管理課長、主幹が努め、隊員は庁内公募を基に選任した3班15名で編成されている。
 3班は津波等の沿岸部被害調査、土砂災害等の山間部被害調査、倒壊家屋、火災等の市街地被害調査に分かれて対応が可能であり、飛行隊の所管は防災危機管理課である。
 災害現場からの映像を、災害対策本部に伝送することで関係者が情報共有することができ、応急対策の迅速化を可能とした。

・出動事例と得られた効果
 平成30年4月25日 大雨により増水した豊川の霞地区の様子を撮影し報道機関等に映像提供を行った。
 総合防災訓練、国民保護共同訓練への参加や豊橋みなとシティマラソンの撮影なども行っている。
 まだ一年しか経過していないため現在は経験を積むことを優先するが、映像伝送による情報共有は大きい効果があると認識。

・ドローン運用上での関係団体との連携
 4事業者とドローンによる災害時の情報収集活動に関する協定を締結。
 平成29年度には、ドローン操縦者養成カリキュラムの作成、赤外線カメラの活用方法の検討、市政業務への活用提案等ドローン活用推進業務委託を行った。
 豊川での増水した例を踏まえて、国土交通省、豊橋河川事務所との間で映像伝送システム運用の検討開始。

・安全な飛行に関する操縦訓練
 資格取得では、現在6名の隊員が民間資格のDJIライセンスを取得し、30年度は3名が取得予定。
 通常訓練は班ごとに毎月1回の訓練を、全体訓練は月1回実施。
実質的に1人2回の訓練で操縦技術の向上を図っている。
・今後の取組みと課題
 現在は2機の機体(価格は40~60万円)を保有している。
3機目(全天候型 100~200万円)を検討中であるが、フルスペックの機体となると500~600万円となるため、今後は情報収集等撮影を中心に選定するか、消防救助等の活用まで考慮したスペックとするか選定には苦慮している。
そこで、活用範囲を広げるため、防災・消防分野の他に、広報、土木、施設保全分野での活用を検討するワーキンググループも設置している。
 また、ドローンは技術革新が早い分野であり、行政がどこまで対応しきれるかは難しく、民間企業等の協力を得なければならないという
 人事異動に伴う隊員の確保も課題である。

○考察
 予算は市単独事業で500万円程度であり、業務委託、備品購入、機体の保険、消耗品、伝送の通信費、ライセンス取得費などである。国の補助等は受けていないとのことだが、検討すべきと思う。
 ドローンの可能性、取組みの有効性は理解した。また、市が独自で設置をするメリットが、迅速な対応ができることであることも理解したが、ドローン導入の目的はある程度限定してもいいのかもしれないと考える。
 付加する機能を増やし緊急性のないものも行政が行なうのか、専門性のある分野は民間委託をして民間活力を育て伸ばすのか迷うところがある。
 また、機体は購入かリースも検討は必要である。技術革新で新機能のドローンが開発される状況での機種選択は難しい。
 無くては困るものなのか、あったら便利なものなのか、無くても我慢できるものなのか、行政がするものなのか、民間で間に合うものなのか、よく考えなければいけないと思う。
 豊橋市は災害リスクの高い地域であり、災害時の対応として導入し、次の段階で他の分野での活用を検討されている。
 人の目で確認が困難な、災害時の状況、山林や山間地の耕作放棄地の状況把握や調査については、長野市においてドローンが有効に活用されるだろう。
 何を主目的に導入するかを考えるとき、本市の状況をあらためて再確認できるのであろう。
 視点は変わるが、職員提案を取り上げられたこと、可能性のあるものだから先ずはやってみようの対応は評価する。
やってみたからこその反省は次につながる。他市を参考にするだけでは失敗はしないが、成功もしない。
 チャレンジをしている豊橋市の取組みに期待している。


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