救急ワークステーション
2018年07月04日
北沢てつや(長野市議) at 06:30 | Comments(0) | 疑問・提案
和歌山県和歌山市を視察したときの報告書になります。
和歌山市は和歌山県の県都で、面積は約208㎢で、人口は約35万7千人。
面積は長野市の4分の1だが、人口は同規模の中核市です。
・常設型救急ワークステーションを設置した経緯と状況
ドクターカー運用は平成24年度から、管内高度救命救急センター2施設(和歌山県立医科大学附属病院、日本赤十字社和歌山医療センター)において、救急救命士の再教育病院実習の期間中に派遣型として試行運用された。
平成26年6月からは日赤において派遣及びピックアップ型で本格運用された
平成29年1月からは日赤において常設型の運用となる。平成29年は一日当たり1.22件の出動・搬送があった。
運用の基準は、119番時に「胸の痛みが10分以上続く」「交通事故で、車外に放出されている」等、緊急性や重症度が高いと疑われる場合(キーワードは8項目ある)と、現場の救急隊長からの要請等で、通常の一番近い救急車とドクターカーが出動する仕組み。
日赤において常設型とした理由は、日赤内に救急隊員の待機室を無償で借用できたからであるが、これは救急隊員の院内滞在時間が増えたことにより病院実習が充実し、医学的知識や接遇等を学べ、レベルアップが図れる上、医療関係者と顔の見える良好な関係の構築ができるとしたため。
・市と医療機関の費用分担
日赤側は医師・看護師の人件費、医師の指示により積載する薬剤等や救急隊員待機室の維持管理費であり、消防局側は救急隊員の人件費や救急車の維持管理費であり、市においては特別な費用は発生していない。
・ドクターカーの出動実績
常設型ワークステーションの運用を開始した平成29年1月16日から平成30年1月15日の一年間で、442件の出動で378人を搬送。
・消防局、医療機関、市民の評価
(消防局の評価)
ドクターカーで搬送した傷病者のうち、中等症者・重症者と診断された方の出動を「効果あり」と判断すると68%(重症92人、中等症168人、軽傷93人)となり、効果ありと考えている。
また、休日や夜間の出動が多く(約65% 286/442件)、24時間体制の常設型とした効果があり、医師が救急現場先から医療が行なえることで、市民の救命、後遺症の低減につながっている。
(医療機関の評価)
医療行為を開始するまでの時間短縮は大きな効果。
一例だと、急性心筋梗塞の傷病者が、カテーテル治療を受けるまでの治療室入室時間が、通常の救急車搬送では58分(中央値)がドクターカー搬送では43分(中央値)まで短縮された。
特に大動脈瘤等、血管の疾患の対応に高い評価がある。
(市民の評価)
医師が救急現場に来ることは安心であり、早期の治療開始は救命、後遺症の低減につながっている。
一方で、医師の現場臨場は往診扱いとなるため費用が発生することから、ドクターカーが拒否されることもある。
・今後の取組みと課題
消防局は常設型救急ワークステーションの継続を希望するが、医師の働き方改革の流れもあり、協力いただく医師の確保は課題となる。そのため現在は無料で実施しているものが、市にも負担を求められてもおり、一部市民にも費用が発生する可能性もある。
他の医療機関への拡大は今後、研究・検討していく方針。
○考察
救急ワークステーションには、救急隊員の病院実習とドクターカーの運用の二つの目的があるが、病院実習のみを受け入れる医療機関が市内に複数あることから、日赤におけるワークステーションはドクターカー運用に特に力点が置かれていると感じた。
これが可能となっているのは日赤の特別の理解と協力があってのことであるが、ただこれを医療従事者の責務とするには限界があるようだ。
医療現場でも働き方改革は必要であり、ドクターカーに同乗される医師の確保は難しくなってきており、実際に夜間では要請があっても出動できないことも少なくないという。
ドクターカー利用者の一部負担や市行政の負担は検討されなければいけない課題だ。
また、ドクターカーでの成果が一部の市域に限定されているとの懸念には、和歌山市は長野市の4分の1の市域面積であり、遠隔地に出動の場合は救急車とドクターカーが中間点で中継をするなどの対応で市域全体をある程度カバーできているという。
和歌山市の場合は複数のワークステーション設置より、現体制の強化が有効であると思われる。
ドクターカー出動は医師の往診扱いになるため、通常一万円の医療費がかかり、依頼した傷病者は保険適用で約三千円の費用負担がある。このことでドクターカーを拒否される例があるというが、利用を控えてしまうことも避けなければいけなく、当事者の判断に任せるしかない現状は何かやりきれない思いがある。
制度の仕組みの周知だけで解決する話でないが、救命率の向上、重症化の回避などデータで示していくことも必要だろう。
長野市においては二例目として長野日赤に救急ワークステーションが設置されるが、エリアカバー率や一般救急車との連携体制、医療機関の協力体制など、今後十分な検証が必要と考える。
一例目は長野市立の市民病院であるため市の意向は反映しやすいが、市民病院の事例が同じように長野日赤で可能となり、事業が継続される体制づくりが構築されるか、注目点である。
この取組みには期待するが、市民への説明も理解もデータで示される効果は大きいと考える。
和歌山市で示されたデータは本市の消防年報に無いものもあり、改善を望む。
和歌山市は和歌山県の県都で、面積は約208㎢で、人口は約35万7千人。
面積は長野市の4分の1だが、人口は同規模の中核市です。

ドクターカー運用は平成24年度から、管内高度救命救急センター2施設(和歌山県立医科大学附属病院、日本赤十字社和歌山医療センター)において、救急救命士の再教育病院実習の期間中に派遣型として試行運用された。
平成26年6月からは日赤において派遣及びピックアップ型で本格運用された
平成29年1月からは日赤において常設型の運用となる。平成29年は一日当たり1.22件の出動・搬送があった。
運用の基準は、119番時に「胸の痛みが10分以上続く」「交通事故で、車外に放出されている」等、緊急性や重症度が高いと疑われる場合(キーワードは8項目ある)と、現場の救急隊長からの要請等で、通常の一番近い救急車とドクターカーが出動する仕組み。
日赤において常設型とした理由は、日赤内に救急隊員の待機室を無償で借用できたからであるが、これは救急隊員の院内滞在時間が増えたことにより病院実習が充実し、医学的知識や接遇等を学べ、レベルアップが図れる上、医療関係者と顔の見える良好な関係の構築ができるとしたため。
・市と医療機関の費用分担
日赤側は医師・看護師の人件費、医師の指示により積載する薬剤等や救急隊員待機室の維持管理費であり、消防局側は救急隊員の人件費や救急車の維持管理費であり、市においては特別な費用は発生していない。
・ドクターカーの出動実績
常設型ワークステーションの運用を開始した平成29年1月16日から平成30年1月15日の一年間で、442件の出動で378人を搬送。
・消防局、医療機関、市民の評価
(消防局の評価)
ドクターカーで搬送した傷病者のうち、中等症者・重症者と診断された方の出動を「効果あり」と判断すると68%(重症92人、中等症168人、軽傷93人)となり、効果ありと考えている。
また、休日や夜間の出動が多く(約65% 286/442件)、24時間体制の常設型とした効果があり、医師が救急現場先から医療が行なえることで、市民の救命、後遺症の低減につながっている。
(医療機関の評価)
医療行為を開始するまでの時間短縮は大きな効果。
一例だと、急性心筋梗塞の傷病者が、カテーテル治療を受けるまでの治療室入室時間が、通常の救急車搬送では58分(中央値)がドクターカー搬送では43分(中央値)まで短縮された。
特に大動脈瘤等、血管の疾患の対応に高い評価がある。
(市民の評価)
医師が救急現場に来ることは安心であり、早期の治療開始は救命、後遺症の低減につながっている。
一方で、医師の現場臨場は往診扱いとなるため費用が発生することから、ドクターカーが拒否されることもある。
・今後の取組みと課題
消防局は常設型救急ワークステーションの継続を希望するが、医師の働き方改革の流れもあり、協力いただく医師の確保は課題となる。そのため現在は無料で実施しているものが、市にも負担を求められてもおり、一部市民にも費用が発生する可能性もある。
他の医療機関への拡大は今後、研究・検討していく方針。
○考察
救急ワークステーションには、救急隊員の病院実習とドクターカーの運用の二つの目的があるが、病院実習のみを受け入れる医療機関が市内に複数あることから、日赤におけるワークステーションはドクターカー運用に特に力点が置かれていると感じた。
これが可能となっているのは日赤の特別の理解と協力があってのことであるが、ただこれを医療従事者の責務とするには限界があるようだ。
医療現場でも働き方改革は必要であり、ドクターカーに同乗される医師の確保は難しくなってきており、実際に夜間では要請があっても出動できないことも少なくないという。
ドクターカー利用者の一部負担や市行政の負担は検討されなければいけない課題だ。
また、ドクターカーでの成果が一部の市域に限定されているとの懸念には、和歌山市は長野市の4分の1の市域面積であり、遠隔地に出動の場合は救急車とドクターカーが中間点で中継をするなどの対応で市域全体をある程度カバーできているという。
和歌山市の場合は複数のワークステーション設置より、現体制の強化が有効であると思われる。
ドクターカー出動は医師の往診扱いになるため、通常一万円の医療費がかかり、依頼した傷病者は保険適用で約三千円の費用負担がある。このことでドクターカーを拒否される例があるというが、利用を控えてしまうことも避けなければいけなく、当事者の判断に任せるしかない現状は何かやりきれない思いがある。
制度の仕組みの周知だけで解決する話でないが、救命率の向上、重症化の回避などデータで示していくことも必要だろう。
長野市においては二例目として長野日赤に救急ワークステーションが設置されるが、エリアカバー率や一般救急車との連携体制、医療機関の協力体制など、今後十分な検証が必要と考える。
一例目は長野市立の市民病院であるため市の意向は反映しやすいが、市民病院の事例が同じように長野日赤で可能となり、事業が継続される体制づくりが構築されるか、注目点である。
この取組みには期待するが、市民への説明も理解もデータで示される効果は大きいと考える。
和歌山市で示されたデータは本市の消防年報に無いものもあり、改善を望む。
コメントいただき有難うございます。お返事お待ちください。